この記事の結論
「札幌市の課題→市が強化する取組→自分が担う役割→成果」の順に一つの物語へします。積雪寒冷地、大都市、北海道の中枢という札幌固有の条件を入れ、経験は行動と成果まで具体化します。
1. 対象区分と公式資料
| 対象 | 過年度の字数 | 中心となる評価 |
|---|---|---|
| 社会人経験者の部 一般事務(行政コース) | 800字程度 | 市政理解、職務経験、取組への再現性 |
現行方式への注意
令和8年度からSPI3と職務論文の提出期間が設定される方式へ変更されています。過年度の会場試験時間を現行方式へ当てはめず、受験年度の案内を確認してください。
2. 過去問の出題傾向
| 年度 | テーマ | 答案で問われること |
|---|---|---|
| 令和7年度 | 持続可能な都市 | 注目分野、強化すべき取組、経験・スキルの活用 |
| 令和6年度 | 従事したい業務 | 希望業務、その理由、経験・スキルの活用 |
2-1. 市政課題だけを書いても足りない
社会人経験者の論文では、自分の経験を市の取組へ移せることが重要です。「調整力がある」で終わらせず、関係者の意見を整理し、合意形成し、進捗を管理した経験まで示します。
2-2. 自己PRだけを書いても足りない
経験の価値は、札幌市のどの課題へ、どの役割で生かすかによって決まります。最上位計画の方向と既存施策を確認し、職員として付け加える改善を示します。
2-3. 「札幌ならでは」を一つ入れる
積雪・寒冷、大都市の生活基盤、北海道の人・物・情報が集まる拠点性、人口減少への転換など、選ぶテーマに関係する地域条件を一つ入れます。
対象と原因を絞る。
手法と連携を示す。
経験を実行力へ変える。
3. 優先テーマと公式計画の課題・方向
| 分野・公式計画 | 公式計画が示す課題 | 公式計画が示す方向 |
|---|---|---|
| 人口・地域 第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン | 人口減少と高齢化が進む中、地域活動の担い手を確保し、区や地域ごとの課題に応じて生活サービスを維持する必要があります。 | 市民、企業、大学、地域団体がつながり、デジタルも活用しながら、地域で支え合い課題を解決できる仕組みを育てることが求められています。 |
| 子ども・若者 第5次さっぽろ子ども未来プラン | 子どもの貧困、ヤングケアラー、孤立、家庭状況による体験格差などに対し、支援を必要とする人へ早く届かせる必要があります。 | 子どもの権利を尊重し、妊娠期から若者の自立まで、区役所、学校、医療、地域をつないで切れ目なく支えることが求められています。 |
| 防災・雪 札幌市地域防災計画 | 地震、風水害、雪害に備え、要配慮者の避難、帰宅困難、停電・物流、冬季の避難環境を含む複合的な対応が必要です。 | 地域、事業者、北海道、警察・消防、ライフライン事業者と情報・訓練・応援体制を共有し、自助・共助・公助を実効的に組み合わせることが求められています。 |
| 産業・雇用 第2次札幌市産業振興ビジョン | 生産年齢人口の減少と人手不足に対応しながら、観光・食などの強みとスタートアップ、デジタルを成長へつなぐ必要があります。 | 企業の付加価値向上、人材確保・育成、創業・新事業を支え、道内資源と札幌の都市機能を結ぶ経済循環をつくることが求められています。 |
| 観光・交流 第2次札幌市観光まちづくりプラン | 繁閑差や人手不足、災害・感染症への対応を進めながら、来訪者の満足と市民生活、地域経済への効果を両立する必要があります。 | 雪、食、文化、都市機能を磨き、道内周遊、受入環境、持続可能な観光経営を進め、観光の価値を市民と地域へ還元することが求められています。 |
| 環境・脱炭素 札幌市気候変動対策行動計画 | 積雪寒冷地で暖房・移動にエネルギーを要する中、温室効果ガス削減と、猛暑・大雪など気候変動への適応を進める必要があります。 | 建物の省エネ、再生可能エネルギー、移動、資源循環を市民・事業者・道内自治体と進め、2050年ゼロカーボンへ移行することが求められています。 |
4. 職務経験を施策へつなぐ方法
| 経験の要素 | 答案への変換 |
|---|---|
| 状況 | どのような顧客・組織・制約だったか |
| 課題 | 何が滞り、誰に不利益があったか |
| 行動 | 自分が分析・調整・改善したこと |
| 成果 | 数値、時間、満足度、継続性の変化 |
| 再現 | 札幌市の取組で、どの役割として生かすか |
5. 800字の答案構成
| 部分 | 目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 結論・分野 | 80字 | 選ぶ課題と強化する取組 |
| 現状・原因 | 150字 | 札幌固有の条件、対象、不利益 |
| 取組 | 190字 | 対象、手法、連携、成果 |
| 職務経験 | 220字 | 状況、行動、成果 |
| 市での役割・結び | 160字 | 経験の再現方法と市民の変化 |
6. 札幌市らしい答案にする四つの視点
- 積雪寒冷地の条件:冬季の移動、除雪、避難、エネルギーを考慮する
- 北海道の中枢機能:札幌市内だけでなく、道内自治体や産業との連携を書く
- 10区の地域差:全市共通基盤と区・地域での実装を分ける
- 経験の再現性:自分の成功談ではなく、市民サービスで再現できる役割を示す
市の課題と自分の経験を、具体的な業務場面で結びます。
札幌市役所で準備したい3つの予想テーマ
過去問で繰り返される「人口減少・雪・都市経営」と、第2次札幌市まちづくり戦略ビジョンが示す現在の政策方向を重ね、次の試験に向けて優先する3テーマを整理しました。
過去の出題要因から、現在の変化を読む
下の3分野は各自治体の出題実績を一律に示すものではなく、地方上級・県庁・政令市で繰り返し問われる論点です。札幌市役所固有の実績は、このページ上部の過去問分析と照合します。
雪国の生活を支えるAI・DXと担い手
人口減少下の都市サービス除雪、交通、福祉、行政で進む担い手不足に対し、データ活用と業務改革を進めます。
変わる雪と猛暑に適応する札幌
気候変動と都市機能大雪・少雪の振れ、冬季交通、夏の暑さを捉え、住宅、道路、健康支援を見直します。
若者が住み続けたい雪国の都市
若者定着・仕事・都市の魅力仕事、住まい、文化、移動、子育ての選択肢を高め、道外流出を抑えるテーマです。
共通3問を札幌市役所向けに書き換える
問題一覧では共通3問を使い、答案の対象・原因・施策をこのページの地域事情へ置き換えます。
共通3問を選び、札幌市役所の計画・地域条件・行政の役割を使って答案を具体化します。
自治体ごとの試験時間・字数・設問形式は異なります。受験年度の案内を確認し、このページの地域事情と計画を使って答案を各自治体向けに具体化してください。
試験形式への合わせ方:札幌市の社会人経験者は、令和8年度から職務論文を指定期間内に提出する方式です。過年度の会場試験時間を当てはめず、経験と施策を結び付けて練習します。
予想テーマを公式計画で具体化する
予想テーマの方向を確認したら、第2次札幌市まちづくり戦略ビジョンと分野別計画で、札幌市役所が課題をどう捉え、どの対象へ、どの主体と取り組もうとしているかを確認します。
次に読む札幌市役所の計画・戦略→