この記事の結論
人口構造、高齢者の活躍、子どもの見守り、都市の魅力、多様性・包摂、行政DXを優先して準備します。答案は目指す都市像 → 現状と課題 → 取組1~3 → 実施体制と効果で組み立てます。
1. 名古屋市の論文試験の特徴
名古屋市の第1類・免許資格職では、与えられた課題について記述する論文試験が行われ、近年の試験案内では60分です。公式の過去問ページでは、春・夏実施試験などの課題が公開されています。
2. 公式過去問から分かる三つの傾向
2-1. 市の現状と課題を必ず論じる
問題文は、施策のアイデアだけでなく「本市の現状と課題」を求めています。人口構造、地域のつながり、情報格差、都市間競争など、施策が必要になる背景を先に明確にします。
2-2. 市の方針を自分の提案へ変える
総合計画、シティプロモーション、DX推進方針などが題材になります。計画名を暗記するのではなく、市民への効果、対象、実施方法、連携先まで具体化します。
2-3. 多様な主体をつなぐ
高齢者の活躍、子どもの見守り、都市の魅力、多様性の尊重はいずれも市役所だけでは完結しません。区役所、地域団体、学校、企業、大学、福祉機関などの役割を分けて書きます。
名古屋市で何が起きているか。
対象・方法・主体を示す。
市民生活の変化を書く。
3. 優先して準備したいテーマ
| 分野 | 課題 | 取組の方向性 |
|---|---|---|
| 高齢者の活躍 | 孤立、健康、担い手不足 | 就労・地域活動・学び直し・健康支援 |
| 子ども・地域 | 交流機会と見守りの不足 | 学校、地域、企業を結ぶ居場所と参加機会 |
| 都市の魅力 | 魅力の認知と市民の愛着 | 地域資源の編集、体験、発信、効果測定 |
| 多様性・包摂 | 背景の違いによる利用障壁 | 当事者参加、情報保障、職員研修 |
| 行政DX | デジタル格差、情報管理 | 対面併用、相談支援、業務改革、検証 |
| 防災・都市環境 | 地域の脆弱性、担い手不足 | 地区別の備え、データ活用、官民連携 |
名古屋市総合計画2028が示す課題と方向を確認する
総合計画は五つの都市像だけでなく、その背景にある市民生活の課題も示しています。答案では課題認識と政策の方向を対応させます。
| 分野・公式計画 | 公式計画が示す課題 | 公式計画が示す方向 |
|---|---|---|
| 高齢者・地域 名古屋市総合計画2028 |
高齢化と一人暮らし世帯の増加が進む中、孤立や健康状態の悪化を防ぎ、地域活動と就労の担い手を確保することが課題となっています。 | 健康づくり、就労、学び、地域参加をつなぎ、年齢にかかわらず本人の希望に応じて活躍できる環境を整えることが求められています。 |
| 子ども・若者 名古屋市総合計画2028 |
子育ての負担や孤立、家庭の経済状況による体験格差、不登校など多様な困難を早期に把握し、支援へつなぐことが課題となっています。 | 妊娠・出産から子育て、教育、若者の自立まで切れ目なく支え、安心して子どもを育て、子ども自身が豊かに育つ環境を整えることが求められています。 |
| 行政・都市DX 名古屋市役所DX推進方針(令和8年3月改版) |
行政手続のオンライン化と利用拡大を進める一方、情報格差や情報セキュリティに対応し、誰もがデジタル化の利点を得られるようにすることが課題となっています。 | 市民サービスと業務を利用者起点で見直して市役所DXを進めるとともに、デジタル利用を支援する環境を整え、安全で一人ひとりに適したサービスを提供することが求められています。 |
| 産業・イノベーション 名古屋市総合計画2028(全文) |
ものづくり産業が技術転換と人材不足に直面する中、新技術を市民生活の改善や地域企業の成長へ結び付けることが課題となっています。 | 大学、企業、地域と連携し、まちを実証の場として開くことで、新技術による社会課題の解決と産業競争力の向上を両立することが求められています。 |
4. 60分で書くための答案構成
| 段階 | 時間 | 内容 |
|---|---|---|
| 設計 | 10分 | 結論、課題、取組1~3、効果をメモする。 |
| 執筆 | 45分 | 序論、現状・課題、取組、結論の順に書く。 |
| 見直し | 5分 | 問いへの対応、主語、重複、誤字を確認する。 |
取組は数を増やすより、対象者、担当主体、方法、連携先、期待する効果を一組にして書くことが重要です。
5. 名古屋市らしい具体性の出し方
市の公式計画を参照しつつ、都心・地域拠点、公共交通、ものづくり産業、大学、区役所、地域コミュニティなどを課題に応じて使います。固有名詞だけを並べず、例えば「区役所を相談と地域連携の入口にする」のように、政策上の役割まで書きます。
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