この記事の結論
福岡県対策では、「世界から選ばれる成長」「住み慣れた地域の暮らし」「災害に強い県土」を軸にします。福岡都市圏の成長を県全域へ波及させる視点と、北九州・筑豊・筑後を含む地域差を必ず入れます。
1. 試験形式と公式資料
| 区分 | 時間 | 字数 | 評価 |
|---|---|---|---|
| 大学卒業程度(Ⅰ類) 行政 | 70分 | 公式案内に明記なし | 専門的知識、文章表現力、文章構成力等 |
論文は第1次試験日と同日に実施し、第1次試験合格者分のみ第2次試験で採点します。制限字数は現行案内に明記がないため、当日の指示を優先します。過去問は複数課題から選択する年度が多く、課題選択の時間も必要です。
2. 近年の出題傾向
| 年度 | テーマ | 答案で問われること |
|---|---|---|
| 令和7年度 | 世界から選ばれる福岡県 | 県の強みを人材・企業・観光・暮らしの魅力へ変換する |
| 令和6年度 | 地域交通・物流/外国人材 | 担い手不足を分析し、行政の支援と関係者の役割を示す |
| 令和5年度 | インバウンド/地域コミュニティ | 都市部・地方部の差と地域への波及を扱う |
| 令和4年度 | 雇用/人口減少/防災 | 対象と地域を絞り、実施課題・解決方法まで示す |
| 令和3年度 | 脱炭素/児童虐待 | 複数主体の役割と切れ目のない支援を組み立てる |
2-1. 問題文の材料を答案の骨格にする
福岡県の問題は、統計、制度変更、既存施策まで長めに示す年度があります。問題文を要約するのではなく、「何が変化したか」「誰が不利益を受けるか」「既存施策に何が足りないか」の三点を抜き出します。
2-2. 県の広域機能を示す
県は、複数市町村にまたがる交通・産業・医療・防災の基盤整備、共通データ、専門人材、市町村支援、国や隣県との調整を担います。身近な窓口施策だけで終えず、広域自治体としての役割を書きます。
2-3. 成長の「県内波及」まで書く
福岡県の強みを福岡都市圏だけの成長で終わらせず、北九州、筑豊、筑後の産業、観光、雇用、交通へつなぎます。県内周遊、企業間取引、人材育成、地域産品の販路など、波及の仕組みを示します。
対象者・地域・原因を絞る。
広域基盤と市町村支援を置く。
連携と成果指標で結ぶ。
3. 優先テーマと公式計画の課題・方向
公式計画が示す課題と方向を同じ粒度で整理します。答案では、右欄を対象者、具体的手法、役割分担、成果指標へ落とします。
| 分野・公式計画 | 公式計画が示す課題 | 公式計画が示す方向 |
|---|---|---|
| 成長・地域振興 福岡県総合計画 | 人口減少、地域間の機会差、担い手不足へ対応しながら、アジアとの近さ、交通基盤、産業・学術の集積を県全体の成長へつなげる必要があります。 | 人財育成、世界から選ばれる地域、成長産業、移住定住を進め、福岡・北九州・筑豊・筑後の特性に応じた振興へ波及させます。 |
| 交通・物流 福岡県交通ビジョン2022 | 利用者減少、運転手不足、路線の減便・廃止により、通勤、通学、通院、買物を支える移動と物流の維持が難しくなっています。 | 広域幹線の維持、市町村計画への支援、運転手確保、利用促進、デジタル活用、交通事業者間の連携を組み合わせます。 |
| 外国人材・多文化共生 外国人材受入対策協議会 | 就労制度、言語、住まい、医療、教育、防災情報、地域との接点など、仕事と生活の両面に課題があります。 | 国、労働局、企業、大学、市町村等と連携し、適正就労、日本語・生活相談、こどもの学び、地域参加まで切れ目なく支えます。 |
| こども・若者 福岡県こども計画 | 少子化、虐待、不登校、貧困、ヤングケアラー、居場所の不足など、こどもの状況に応じた支援が必要です。 | こどもの権利を保障し、意見を政策へ反映し、成長段階に応じた支援、居場所、困難を抱えるこどもへの支援、子育て支援を進めます。 |
| DX・行政サービス 福岡県DX戦略2025-2027 | 人手不足、地域差、行政手続やサービス利用時の時間・場所の制約へ対応し、デジタル格差にも配慮する必要があります。 | 県民サービス、行政運営、地域・産業の変革を進め、デジタルと対面支援を組み合わせ、住み慣れた地域で暮らせる条件を整えます。 |
| 防災・強靱化 福岡県地域防災計画 | 豪雨、土砂災害、地震・津波等に対し、要配慮者の避難、孤立、物資、受援、復旧・復興まで備える必要があります。 | 市町村、指定公共機関、企業、地域の役割を平時から定め、情報、個別避難、広域応援、物資、生活再建を切れ目なく整えます。 |
| 環境・ワンヘルス 福岡県環境総合ビジョン | 気候変動、生物多様性、資源循環、食品ロス、人と動物の共通感染症など、環境・経済・健康を横断する課題があります。 | 脱炭素、循環、自然共生、環境と経済の好循環を進め、ワンヘルスの考え方で人・動物・環境の健全性を一体的に守ります。 |
4. 70分の使い方
| 時間 | 作業 | 確認点 |
|---|---|---|
| 0~8分 | 課題選択 | 知識量ではなく、原因と施策を具体化できる課題を選ぶ |
| 8~15分 | 設問分析・構成 | 対象、問題点、原因、取組二本、効果を決める |
| 15~62分 | 執筆 | 県の広域機能、連携、地域差を入れる |
| 62~70分 | 推敲 | 問い漏れ、主語、重複、因果関係を確認する |
5. 答案構成
| 部分 | 比率 | 内容 |
|---|---|---|
| 結論 | 10% | 誰の何をどう変えるか |
| 現状・問題点 | 20% | 県内の地域差、対象者、不利益、原因 |
| 取組1 | 25% | 県が整える広域基盤・共通支援 |
| 取組2 | 25% | 市町村・企業・地域との実装 |
| 実施・検証 | 10% | 担い手、財源、段階実施、成果指標 |
| 結び | 10% | 目指す県民の変化へ戻す |
6. 福岡県らしい施策にする四つの視点
- 県内4地域を見る:福岡、北九州、筑豊、筑後で人口、産業、交通、医療の条件が異なる
- アジアへの近さを県全域へ:国際交流、物流、観光、人材の強みを地域産業と雇用へ波及させる
- 市町村を支える:共通データ、専門人材、広域調整、共同調達、モデル事業の横展開を担う
- 成長と安心を両立する:企業誘致や観光振興と、交通、住まい、環境、防災、共生を同時に扱う
この目標を、選んだ課題、二つの取組、役割分担、成果指標へつなげます。
7. 令和7年度「世界から選ばれる福岡県」の構成例
| 段落 | 書く内容 | 具体化の例 |
|---|---|---|
| 結論 | 来訪だけでなく、働き、暮らし、挑戦する人に選ばれる県 | 外国人材、若者、企業、旅行者から対象を置く |
| 現状・課題 | 人手不足、生活支援、地域間の波及差 | 福岡都市圏への集中と県内4地域の機会差を分析 |
| 取組1 | 就業・起業・留学から生活までの一体支援 | 企業、大学、市町村、相談機関を共通窓口でつなぐ |
| 取組2 | 県内周遊・取引・人材交流の仕組み | 地域産品、観光、地場企業への発注・研修を結ぶ |
| 検証 | 定着と県内波及を測る | 県内就職率、相談後の定着、地域別消費・取引を確認 |
「PRを強化する」だけでは不十分です。選ばれた後に安心して暮らし、能力を発揮し、その効果が県内各地域へ広がる仕組みまで書きます。
福岡県庁で準備したい3つの予想テーマ
過去問で繰り返される「世界から選ばれる福岡・地域交通・多文化共生」と、福岡県総合計画が示す現在の政策方向を重ね、次の試験に向けて優先する3テーマを整理しました。
過去の出題要因から、現在の変化を読む
下の3分野は各自治体の出題実績を一律に示すものではなく、地方上級・県庁・政令市で繰り返し問われる論点です。福岡県庁固有の実績は、このページ上部の過去問分析と照合します。
世界から選ばれる福岡を県内全域の成長へ
人材・産業・観光・地域波及アジアへの近接性や産業集積を生かし、海外人材・企業・旅行者に選ばれる環境を整えながら、福岡都市圏だけでなく北九州・筑豊・筑後へ雇用と消費を波及させます。
豪雨と気候変動に強い地域交通・物流
気候適応・防災・移動の確保豪雨や猛暑の激甚化に対し、道路・鉄道・物流網の強靱化、運行情報の共有、要配慮者の移動支援、代替輸送を市町村・事業者と整えます。
若者・外国人材が暮らし、地域に参加する福岡
定着・多文化共生・地域参加就業支援だけでなく、住まい、日本語、医療、こどもの教育、居場所、地域活動への参加を切れ目なく整え、受入企業と地域双方を支えます。
共通3問を福岡県庁向けに書き換える
問題一覧では共通3問を使い、答案の対象・原因・施策をこのページの地域事情へ置き換えます。
直近出題との関係:令和6年度は地域交通・物流と外国人材、令和7年度は『世界から選ばれる福岡県』が出題されています。予想は同じ題の連続を想定せず、成長の県内波及、担い手、暮らしの基盤へ論点をずらしています。
共通3問を選び、福岡県庁の計画・地域条件・行政の役割を使って答案を具体化します。
自治体ごとの試験時間・字数・設問形式は異なります。受験年度の案内を確認し、このページの地域事情と計画を使って答案を各自治体向けに具体化してください。
試験形式への合わせ方:福岡県のⅠ類行政は70分です。論文は第1次試験日に実施し、第1次合格者分を第2次試験で採点します。公式案内に制限字数の明記がないため、当日の問題冊子・答案用紙の指示を優先してください。
予想テーマを公式計画で具体化する
予想テーマの方向を確認したら、福岡県総合計画と分野別計画で、福岡県庁が課題をどう捉え、どの対象へ、どの主体と取り組もうとしているかを確認します。
次に読む福岡県庁の計画・戦略→