自治体別対策 ・ 58
広島県庁の論文試験対策|過去問傾向と90分・800字の書き方
広島県の行政論文では、県の理念や強みを前提に、課題を絞り、県としての取組と効果検証まで示す力が問われます。観光・ブランドだけに偏らず、人口減少、中山間地域、産業、防災などを計画体系から準備します。
この記事の結論
広島県対策では、「安心・誇り・挑戦」「適散・適集」「市町を支える広域自治体」の三つを軸にします。800字の中で、現状・原因・取組二本・連携・検証を短く一貫させます。
1. 試験形式と公式資料
| 区分 | 時間 | 字数 | 評価 |
|---|---|---|---|
| 大学卒業程度 行政(一般方式)等 | 90分 | 800字程度 | 思考力・構成力等 |
令和7年度受験案内では、論文は行政(一般方式)・小中学校事務・警察行政で実施されます。年度・区分により変更されるため、最新の案内を確認してください。
2. 近年の出題傾向
| 年度 | テーマ | 答案で問われること |
|---|---|---|
| 令和7年度 | ひろしまブランド | 県の資源を価値として編集し、地域へ効果を残す |
| 令和6年度 | 県の基本理念 | 現状・課題、具体策、効果検証を一体で示す |
| 令和5年度 行政B | 社会経済環境の変化 | 変化を捉え、県が進める施策へつなげる |
2-1. 広いテーマを一つの県民像へ絞る
「人口減少」「観光」だけでは広すぎます。例えば、中山間地域の若者、観光地周辺の事業者、子育て家庭など、対象を決めて不利益と原因を示します。
2-2. 県の基本理念を答案の評価軸にする
施策が「安心」を支え、地域や県民の「誇り」を高め、挑戦できる状態へつながるかを確認します。計画名の引用だけでなく、住民の変化として書くことが重要です。
2-3. 市町との役割分担を示す
県は、市町を越えるデータ、人材、交通・医療等の広域基盤、財政・技術支援、共通指標を担えます。現場に近い市町・地域と組み合わせると実現性が上がります。
1県の理念
目指す県民・地域の姿を置く。
→
2課題と取組
対象・原因へ施策を当てる。
→
3検証
実感と地域差を測る。
3. 優先テーマと公式計画の課題・方向
公式計画が示す課題と方向を同じ粒度で整理します。答案では、右欄を土台に、対象、手法、県・市町・民間の役割へ具体化します。
| 分野・公式計画 | 公式計画が示す課題 | 公式計画が示す方向 |
|---|---|---|
| 人口減少・中山間地域 安心・誇り・挑戦 ひろしまビジョン | 人口減少と少子高齢化により、地域の担い手や生活サービスの維持が難しくなり、都市部と中山間地域の条件差も大きくなっています。 | 仕事、医療・福祉、交通、デジタルを組み合わせ、県内のどこに住んでも安心して暮らし、希望する挑戦ができる地域をつくることが求められています。 |
| 子供・子育て ひろしま子供の未来みんなで応援プラン | 子育ての負担、貧困や孤立、支援へのつながりにくさにより、子どもの育ちや体験の機会が家庭・地域の状況に左右されています。 | 妊娠期から子育て、教育、自立まで相談と支援をつなぎ、市町・学校・医療・地域が一体で子どもと家庭を支えることが求められています。 |
| 防災・減災 広島県地域防災計画 | 豪雨・土砂災害や南海トラフ地震に備え、避難情報を行動へつなげ、要配慮者支援や広域応援を機能させる必要があります。 | 危険情報の共有、個別避難、地域訓練、県・市町・関係機関の応援体制を平時から整え、災害後の生活再建まで切れ目なく支えることが求められています。 |
| 産業・人材 ひろしまビジョン・産業イノベーション | 生産年齢人口の減少、人手不足、デジタル化や脱炭素化への対応が進む中で、地域企業の付加価値と働く場を維持する必要があります。 | 企業のDX・GX、新事業、人材育成と多様な働き方を支え、大学・企業・支援機関の連携から挑戦と良質な雇用を生み出すことが求められています。 |
| 観光・ブランド ひろしま観光立県推進基本計画 | 来訪者数だけでなく、滞在、消費、満足度を高め、その効果を県内各地の事業者や住民へ広げることが課題となっています。 | 平和、歴史・文化、食、自然、産業を一貫した価値として磨き、周遊、受入環境、情報発信を官民一体で進めることが求められています。 |
| 環境 広島県環境基本計画 | 脱炭素、資源循環、生物多様性、瀬戸内海の環境を守りながら、県民と事業者の行動を持続的に変える必要があります。 | 省エネ・再エネ、循環型事業、自然共生を産業・地域づくりと結び、環境と経済・暮らしを同時に改善することが求められています。 |
4. 90分の使い方
| 時間 | 作業 | 確認点 |
|---|---|---|
| 0~15分 | 設問分析・構成 | 問いを分解し、対象・原因・取組を決める |
| 15~78分 | 執筆 | 県の役割と連携、検証まで入れる |
| 78~90分 | 推敲 | 設問漏れ、主語、重複、字数を確認 |
5. 800字の答案構成
| 部分 | 目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 結論・背景 | 100字 | 選ぶ課題と目指す姿 |
| 現状・原因 | 180字 | 対象、不利益、原因 |
| 取組1 | 180字 | 県が整える広域基盤・支援 |
| 取組2 | 180字 | 市町・企業・地域と行う実装 |
| 検証・結び | 160字 | 指標、見直し、県民の変化 |
6. 広島県らしい施策にする四つの視点
- 都市と中山間地域を一体で見る:広島市周辺だけでなく、生活圏と地域差を示す
- 県・市町の役割を分ける:県は共通基盤・専門人材・広域連携、市町は住民接点を担う
- 強みを価値へ変える:平和、ものづくり、食、瀬戸内、文化を施策目的へ接続する
- 実感を測る:利用数だけでなく、継続、所得、定着、満足度、地域差を確認する
答案の中心
県民一人ひとりの安心と誇りを土台に、県内のどこでも夢や希望へ挑戦できる広島をつくる。この目標を、選んだ課題、二つの取組、効果指標へつなげます。