結論|試験区分を分け、同じ政策思考で組み立てる
一般職は60分で課題と取組を明確に、総合職は2時間で複数資料と価値の対立まで扱います。どちらも、資料の要約で終わらず「現状 → 課題 → 原因 → 国が担う理由 → 取組 → 効果検証」の一本線を作ることが重要です。
| 区分 | 主な特徴 | 優先する対策 |
|---|---|---|
| 一般職・行政 | 60分・1題。資料を参照し、国の課題と具体的な取組を答える。 | 設問分解、資料の要点化、2施策の具体化、時間管理。 |
| 一般職・教養 | 資料数や設問が多く、原因・影響・対応を段階的に問う。 | 問いごとの役割を分け、前の設問を次の政策提案へつなぐ。 |
| 総合職・政策論文 | 2時間。文章・図表・英文等の複数資料を踏まえて政策を論じる。 | 資料間の関係、価値対立、政策手段の比較、実現可能性。 |
公開過去問に見える7つの分野
2023~2025年度の公開過去問では、高齢者の移動、ごみ・循環経済、気候変動、物流、少子化、文化財、情報社会と信頼が扱われています。分野は違っても、個人や事業者だけでは解決しにくい構造的な課題に対し、国が制度・基盤・財源・標準・情報をどう整えるかが共通の焦点です。
生活基盤高齢者の移動・物流
担い手不足や地域差の中で、必要なサービスを持続させる国の役割を考えます。
環境ごみ・気候変動
国民・企業の行動変容と、制度・価格・情報・技術の組合せを考えます。
人口・社会少子化
個人の選択を尊重しながら、所得、雇用、子育て、教育の構造を変える政策を考えます。
文化・デジタル文化財・情報社会
保存と活用、利便性と権利保護という価値の両立を扱います。
資料は5段階で読む
- 設問を先に分解する:要約、原因、課題、取組、行政の役割など、要求を動詞で囲みます。
- 出典・時点・対象を確認する:誰の、いつの、どの範囲のデータかを押さえ、過度な一般化を避けます。
- 一資料一文にする:各資料の主張を、自分の言葉で一文に要約します。
- 資料間の関係を付ける:補強、対比、原因と結果、理念と現実のどれかに整理します。
- 答案での役割を決める:現状、原因、必要性、施策、留意点、効果指標へ割り振ります。
図表の数値は全部写しません。「増減」「差」「転換点」を一つ選び、その先に誰のどの困難があるかを言葉にします。文章資料は、筆者の結論・理由・前提を分けます。
答案は6つの部品で組み立てる
1現状と課題資料の事実を使い、放置した場合の影響まで示します。
2原因意識だけにせず、制度、担い手、情報、費用、地域差に分けます。
3国が担う理由全国共通の最低基準、府省横断、地域間調整、財源、データ基盤などを示します。
4取組対象・主体・手段・連携先・実施手順を具体化します。
5留意点自由、プライバシー、公平性、費用、現場負担などの副作用へ対応します。
6効果検証実施量だけでなく、利用率、時間短縮、行動変化、格差縮小等の成果を測ります。
一般職|60分で書き切る
0~10分設問・資料分析
要求、課題、原因を確定
要求、課題、原因を確定
10~17分構成メモ
国の役割と取組2本を決める
国の役割と取組2本を決める
17~52分執筆
設問順に段落を進める
設問順に段落を進める
52~60分推敲
問い漏れ・因果・主語を確認
問い漏れ・因果・主語を確認
取組は「周知」と「支援」のような似た施策を並べず、仕組みを変える施策と、利用を支える施策を組み合わせます。字数指定がない場合も、時間内に推敲できる分量を練習時から固定します。
総合職|複数資料と価値対立を扱う
総合職の政策論文では、一つの正解を当てるより、異なる資料や価値を公平に扱い、行政として実行可能な着地点を示すことが重要です。
| 段階 | 確認すること |
|---|---|
| 資料整理 | 各資料の主張・根拠・前提を分け、補強か対立かを整理する。 |
| 価値の両立 | 効率と公平、利便性とプライバシー、保存と活用など、守る価値を明示する。 |
| 政策選択 | 規制、給付、情報提供、基盤整備、研究開発、官民連携を比較して選ぶ。 |
| 実施設計 | 省庁、自治体、企業、地域、国民の役割と、段階導入・検証方法を書く。 |
0~35分設問・資料分析
一資料一文と関係図
一資料一文と関係図
35~50分構成
価値・政策・留意点を決定
価値・政策・留意点を決定
50~108分執筆
資料と自分の主張を接続
資料と自分の主張を接続
108~120分推敲
資料漏れ・論理・表現を確認
資料漏れ・論理・表現を確認
「国の役割」を具体的に書く
| 役割 | 答案での書き方 |
|---|---|
| 制度・基準 | 全国共通の権利や安全を守る最低基準を示し、規制・認証・標準化を行う。 |
| 財源・格差調整 | 地域の財政力や市場規模によるサービス格差を、交付・補助・共同基盤で縮める。 |
| 府省横断 | 交通と福祉、環境と産業など、所管を越える課題に共通目標と工程を置く。 |
| データ・評価 | 全国データを整備し、指標を共通化して、効果の高い取組を横展開する。 |
| 国際・長期 | 国際協調や長期投資が必要な課題で、外交、研究開発、予見可能性を担保する。 |
よくある失点
- 資料の要約で終わる:資料の事実が、なぜ行政課題になるかまで示します。
- 国・自治体・企業の役割が混ざる:国は制度・基準・財源・府省横断、自治体は地域実装と住民接点、と分けます。
- 施策が抽象的:誰に、誰が、何を、どう届け、何を測るかを書きます。
- 一方の価値だけを優先する:反対利益や副作用を認め、緩和策を置きます。
- 計画名を飾りとして使う:公式計画は名称ではなく、課題認識・政策方向・役割・指標を借ります。
区分別の詳しい解説
一般職60分で資料型問題を書き切る方法
設問分解、字数設計、取組の具体化を詳しく確認できます。
総合職資料の読み方と答案構成
複数資料、図表、価値対立、2時間の構成を詳しく確認できます。