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論文の書き方と対策 ・ 08

【保存版】公務員論文の書き方の基本|課題の読み取り・構成・字数配分を解説

公務員論文は、思いついたことを順番に書く試験ではありません。設問から求められている課題を読み取り、原因を整理し、それに対応する取組を具体的に示す試験です。この記事では、問題を読んでから「序論・取組3つ・結論」の答案にするまでを、文字数配分と例文を交えて解説します。

2026年9月1日

この記事で分かること

設問の分解、課題の読み取り、構成メモ、序論、取組、結論、字数・時間配分を一通り理解できます。試験区分によって設問形式や制限時間は異なりますが、論理の組み立て方は共通です。

1. 公務員論文は「課題 → 原因 → 取組 → 結論」で書く

公務員論文でまず覚えたいのは、文章表現よりも全体の順番です。基本は、現状から課題を示し、その課題が生じている原因を整理し、原因に対応する取組を提案し、目指す状態で締めるという流れです。

要素答えること
現状いま何が起きているか
課題理想と現状の間に、どのような問題があるか
原因なぜその問題が解決していないのか
取組行政は誰と、誰に対して、何を行うか
結論取組によってどのような地域・社会を実現するか

たとえば「誰もが安全に移動できる地域」がテーマなら、「高齢化が進んでいる」という事実だけでは課題になりません。駅から目的地までの段差、移動情報の分散、歩行者と自転車の交錯など、安全な移動を妨げている具体的な状態まで絞って、初めて施策につながります。

よい答案は、立派な言葉が並ぶ答案ではなく、「この課題だから、この取組が必要」と読める答案です。

2. 最初に設問を4つに分解する

問題を開いたら、すぐ資料を読み込まず、先に設問へ線を引きます。次の4点を確認してください。

  1. 立場:国、都道府県、市区町村、職員など、誰の立場で書くか
  2. 対象:どの地域、住民、事業者、課題を扱うか
  3. 要求:課題、原因、意義、取組、効果、指標のうち何を書くか
  4. 条件:資料への言及、現行施策、字数、設問ごとの指定があるか

設問を分解する例

「資料から重要な課題を示し、都を含む行政が進めるべき取組を論じなさい」
立場:東京都を含む行政 対象:資料が示す政策分野
要求:重要な課題+取組 条件:資料を根拠にする

ここを外すと、文章が読みやすくても設問に答えていない答案になります。「行政の取組」を問われているのに住民の心構えだけを書く、「国の取組」を問われているのに市役所の窓口だけを書く、といったずれを防ぐため、答案の主語は最初に固定します。

3. 資料と課題文から「何が問題か」を読み取る

資料型の問題では、数字をすべて説明する必要はありません。見るのは、増減、比較、偏り、途切れ、ニーズと供給の差です。複数の資料に共通する方向を探し、1つの課題文にまとめます。

資料の見方読み取る問い
時系列の変化増えている・減っているものは何か
属性や地域の比較差が大きい層・地域はどこか
利用意向と利用実績必要とする人にサービスが届いているか
複数主体の情報制度や情報が分散し、利用者の負担になっていないか
事故・相談等のデータ安全性や生活上の支障が残っていないか

読み取った内容は、次の型で1文にします。

課題を1文にする型

「【改善していること・社会の変化】が進む一方、【残る問題】があり、【誰にどのような支障が生じるか】が課題である。」

移動を例にすると、「駅単体のバリアフリー化が進む一方、駅から目的地までの歩行空間や乗換動線には段差等が残り、移動に制約のある人が切れ目なく移動できないことが課題である」となります。この1文が決まると、段差解消、情報統合、安全な通行空間という取組の方向が見えます。

課題と原因を分ける

「情報が不足している」は課題にも原因にも見えます。整理するときは、住民や地域に生じている支障を課題、その支障が残る理由を原因として置きます。

課題必要な支援を利用できず、地域で孤立する人がいる
原因制度ごとに窓口が分かれ、本人や家族が支援情報を把握しにくい
取組相談情報を集約し、関係機関が連携する包括的な相談窓口を整備する

4. 本文の前に、答案の設計図を6行で作る

課題を決めた後も、すぐ本文を書きません。余白に次の6行を置きます。

6行の構成メモ

課題:誰が、何に困っているか
序論:目指す姿+取組①②③の予告
取組①:原因① → 具体策①
取組②:原因② → 具体策②
取組③:原因③ → 具体策③
結論:行政の役割+実現したい状態

この段階では文章にせず、単語で構いません。3つの取組が同じ内容になっていないか、行政の権限で実行できるか、課題とつながっているかを確認します。設計図を先に作ることで、途中で取組が思いつかなくなったり、結論の字数がなくなったりすることを防げます。

5. 序論は「課題・目指す姿・3つの予告」

序論の役割は、背景知識を長く披露することではありません。何を課題と捉え、どこを目指し、何を論じるかを採点者に示すことです。

序論の型

【課題】を解決し、【目指す状態】を実現するため、行政は、第一に【取組①】、第二に【取組②】、第三に【取組③】を進めるべきである。以下、具体的に述べる。

例:駅から目的地まで誰もが円滑かつ安全に移動できる都市を実現するため、都は、第一に連続的なバリアフリー動線の整備、第二に移動情報の統合、第三に歩行者と自転車の通行空間の分離を進めるべきである。

課題を別の設問で200字程度にまとめる形式なら、序論は70〜130字程度に抑えられます。単一設問の答案なら、序論の中で背景と課題も説明するため、180〜250字程度を使います。

6. 取組は「誰が・誰に・何を・どうやって・効果」で書く

本論の取組は、「支援を充実する」「連携を強化する」で止めないことが重要です。1段落に次の5点を入れます。

  1. 実施主体:国、都道府県、市区町村のうち誰が行うか
  2. 対象:誰の、どの問題を解決するか
  3. 内容:何を整備・支援・提供するか
  4. 方法:誰と連携し、どの手段で実施するか
  5. 効果:課題や原因がどう改善するか

取組1段落の型

第一に、【取組の見出し】である。【原因・現状】が課題となっている。そこで行政は、【連携相手】と連携し、【対象者】に対して【具体的な取組】を行う。さらに、【利用しやすくする工夫や実施方法】を加える。これにより、【期待する効果】につなげる。

抽象的な例:行政は交通事業者との連携を強化し、バリアフリー化を推進する。

具体化した例:都は区市町村や交通事業者と連携し、駅周辺から公共施設までの歩道について、段差解消、勾配緩和、誘導用ブロックの連続配置を重点的に支援する。整備箇所は当事者とともに点検し、移動経路全体の切れ目をなくす。

具体化するときは、事業名を無理に暗記する必要はありません。対象、連携相手、実施方法が明確で、設問で指定された行政主体の役割に収まっていれば、取組として伝わります。

7. 3つの取組を重複させない

3つの取組がすべて「周知」「啓発」「情報発信」では、同じ原因に対して同じ方法を繰り返しています。取組は異なる障壁に対応させます。

分け方取組の例
人・利用者相談、情報提供、利用支援、教育・啓発
担い手・組織人材育成、活動支援、専門職配置、官民連携
仕組み・基盤施設整備、データ連携、ルール整備、効果検証

あるいは、ハード・ソフト・ルール、予防・早期発見・継続支援、利用者・事業者・行政基盤という分け方も使えます。大切なのは、型に無理やり当てはめることではなく、課題を生んでいる異なる3つの原因に対応させることです。

8. 結論は新しい話を出さずに締める

結論では、新しい4つ目の取組を出しません。本文の3つを受けて、行政の役割、連携の姿勢、実現したい状態をまとめます。

結論の型

以上の取組を着実に進めるため、行政は【担う役割】を果たし、【関係主体】と連携しながら継続的に効果を検証する必要がある。これらを通じて、【誰もがどのように暮らせる社会・地域】を実現すべきである。

結論を長くするより、取組の対象や実施方法を具体化するほうが答案の説得力は高まります。「全力を尽くす」「積極的に取り組む」といった決意だけで終えず、本文で示した取組がどの未来につながるかを書いてください。

9. 1,000〜1,500字の文字数配分

字数配分は試験形式によって変わります。ここでは、よくある2つの型を示します。いずれも目安であり、受験する試験の問題文に字数指定がある場合は、その指定を優先してください。

課題を別設問で200字程度に書く場合

ブロック書く内容目安
設問(1) 課題現状・課題・原因または弊害180〜220字
序論目指す姿・取組3つの予告70〜130字
取組①原因・取組・方法・効果220〜340字
取組②原因・取組・方法・効果220〜340字
取組③原因・取組・方法・効果220〜340字
結論行政の役割・目指す状態80〜130字

中心値で組むと、課題200字、序論100字、取組各300字、結論110字で合計1,310字です。取組3つの分量をおおむね揃えると、答案全体のバランスが整います。

課題から取組までを1本で論じる場合

ブロック書く内容目安
序論・課題背景・課題・取組3つの予告180〜250字
取組①原因・取組・方法・効果250〜300字
取組②原因・取組・方法・効果250〜300字
取組③原因・取組・方法・効果250〜300字
結論行政の役割・目指す状態100〜150字

中心値なら、序論220字、取組各280字、結論140字で合計1,200字です。字数の下限ぎりぎりを狙うより、取組の実施方法と効果を具体的にして余裕を持って下限を超えるほうが安全です。

配分で優先すること

数文字の不足・超過より、取組間のバランスを確認します。取組①だけが長く、取組③が短い場合は、取組①を削るだけでなく、取組③の対象・連携相手・実施方法・効果を具体化してください。

10. 試験時間の配分と見直し

文章を書く時間だけでなく、読む時間と見直す時間を先に確保します。80分試験と90分試験の一例は次のとおりです。

工程80分試験90分試験
設問・資料の確認5分7分
構成メモ5分8分
執筆60分65分
見直し10分10分

資料が多い試験では読解時間を増やし、その分、構成メモを短くします。本文を書きながら構成を考えると修正に時間がかかるため、最低でも課題1行と取組3つの見出しは先に決めてください。

見直しは誤字だけではありません。設問に答えているか、行政主体が途中で変わっていないか、序論で予告した順番と本論が一致しているかを確認します。

11. 評価を落としやすい答案と直し方

よくある答案問題直し方
資料の数字を順番に説明する重要な課題が絞れていない複数資料を1つの課題文にまとめる
課題と原因が同じ施策との因果関係が弱い住民の支障を課題、残る理由を原因にする
「支援する」で終わる実行場面が見えない対象、連携相手、手段、効果を加える
3つとも啓発・周知取組が重複している人、担い手、仕組みなどに分ける
指定された行政の権限を超える実現主体が設問とずれるその主体ができる助成、連携、整備等へ直す
序論・結論が長い取組が薄くなる取組の方法と効果へ字数を移す
結論で新しい施策を出す本文とのつながりが切れる本文の要約と目指す状態だけを書く

12. 書き始める前の最終チェック

練習でも本番でも、本文を書く前に次の項目を確認してください。

構成メモのチェックリスト

最初から完成した1,300字を書こうとすると、何から考えるか分からなくなります。まず課題を1文にし、取組の見出しを3つ置き、1段落ずつ具体化してください。公務員論文の型は、答案を縛るものではなく、限られた時間で考えを伝わる順番に並べるための道具です。

課題1行、取組3行、結論1行。まず6行の設計図を作るところから始めます。

書き方の型を、実際の流れで確認する

問題を選び、書き、添削して、表に残す。

公務員論文AI対策ナビの無料デモでは、問題選択から解答例の入力、AI添削、論文保存整理マトリックスへの保存までを確認できます。

型を覚えたら、
1本書いて確かめる。

課題を1文にまとめ、原因に対応する取組を3つ置いてみてください。

※ 試験形式・字数・時間は試験区分や年度により異なります。受験年度の公式試験案内を必ず確認してください。