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論文の書き方と対策 ・ 04

東京都Ⅰ類Aの論文試験|過去11年11問を分析した傾向と対策

東京都Ⅰ類Aの論文は、資料を読んで課題を示すだけでは終わりません。都がすでに行っている施策を押さえた上で、次に何を進めるべきかまで書く試験です。この記事では、平成28年度から令和8年度までの11問をⅠ類Aだけに絞って分類し、準備すべき分野と資料の読み方を整理します。

2026年8月20日

この記事の役割

この記事は、東京都Ⅰ類Aの出題傾向から、何を優先して準備するかを決めるための記事です。Ⅰ類B(一般方式)とは分けて、Ⅰ類Aだけの傾向と対策を整理します。

読み終えたときに、次の3つが分かるようにしています。

この記事の内容

    東京都Ⅰ類Aの論文試験の形式

    項目内容
    出題数1題必答
    解答時間1時間30分(90分)
    字数1,000字以上1,500字程度
    設問(1)資料から重要な課題を選び、200字程度で説明
    設問(2)都の現行施策に言及し、行政が進めるべき取組を論述
    資料4点のことが多い

    Ⅰ類A対策で重要なのは、設問(2)の準備です。施策名を暗記するのではなく、現行施策がどの原因へ対応し、何がまだ不足しているかまで整理しておく必要があります。

    ※ 令和8年度の論文が90分・課題式1題必答であることは、東京都職員採用のⅠ類A公式案内で確認しています。字数・設問文は受験年度の公表問題も確認してください。

    出題分野の頻度|Ⅰ類Aの11問を数えた結果

    順位分野件数構成比
    1観光・文化327.3%
    2高齢・福祉218.2%
    3防災19.1%
    3子育て19.1%
    3環境19.1%
    3産業・雇用19.1%
    3教育・人材19.1%
    3多様性・共生19.1%

    観光・文化が3問、高齢・福祉が2問で、この2分野が全体の45.5%です。観光・文化は平成30年度、令和3年度、令和4年度と複数回出ており、Ⅰ類Aで最初に準備したい分野です。

    残る6問は6分野に分かれます。観光・文化、高齢・福祉を軸にしつつ、都の新しい計画で重点化された分野を加える準備が現実的です。

    Ⅰ類Aは、都の計画と現行施策を読む

    Ⅰ類Aでは、テーマの資料に都の計画・戦略文書が使われています。

    年度資料の出典テーマ
    令和8『2050東京戦略』高齢者が心豊かに暮らせる社会
    平成28『東京都長期ビジョン』福祉先進都市

    計画文書では、東京都が現状をどう捉え、どの指標を使い、現在どこまで取り組んでいるかを一度に確認できます。

    令和7年3月策定の「2050東京戦略」で全体像をつかみ、受験する分野の担当局ページや報道発表へ進むと効率的です。

    現行施策は「名前・対象・残る課題」で整理する

    確認すること答案への使い方
    施策名都が現在取り組んでいる事実を短く示す
    対象・手段施策がどの原因へ対応しているか説明する
    残る課題自分が提案する取組の必要性につなげる

    現行施策の説明だけで答案を終わらせず、現状の施策を土台に何を改善・拡充するかまで書きます。

    4点前後の資料から、課題を1つ選ぶ

    資料が多いと、すべての数値を答案へ入れたくなります。しかし設問(1)は200字程度です。資料を要約するのではなく、複数の資料が共通して示す重要な課題を1つに絞る必要があります。

    現状は3つの型で読む

    資料の読み方次に考えること
    増減型Aが増えている/減っている変化を生んだ原因
    ギャップ型希望と実態に差がある実現を妨げる職場・地域・制度
    格差型地域・世帯・企業規模で差がある支援が届かない対象と仕組み

    令和8年度は社会参加の意欲と実際の活動、令和6年度は男女の育休取得率に差が示されました。ギャップ型の資料があれば、原因を本人の意識だけにせず、担い手と仕組みへ広げやすくなります。

    原因は「意識・担い手・仕組み」に分ける

    過去の出題テーマ一覧|Ⅰ類A

    問題文の転載ではなく、各年度の中心テーマを要約しています。

    年度分野テーマ
    令和8(2026)高齢・福祉高齢者が心豊かに暮らし、いつまでも輝ける社会
    令和7(2025)防災首都直下地震に備えた在宅避難・避難所の生活継続力
    令和6(2024)子育て育児と仕事の両立
    令和5(2023)環境サーキュラーエコノミーの推進
    令和4(2022)観光・文化文化振興
    令和3(2021)観光・文化ウィズコロナ時代の観光振興
    令和2(2020)産業・雇用イノベーションの創出
    令和元(2019)教育・人材未来を担う人材の育成

    Ⅰ類Aでよくある失点

    1. 資料の説明だけで200字を使い切る

    数値を並べるだけでは、重要な課題が何か伝わりません。現状を一文で示し、原因または放置した場合の弊害まで書きます。

    2. 現行施策を並べて、自分の提案が薄くなる

    現行施策は前提です。施策があっても残る原因を示し、その原因に対応する改善策を提案します。

    3. 古い施策名をそのまま使う

    計画や事業の名称は変わります。受験年度の資料で名称と内容を更新してください。

    4. 国の手段を都の取組として書く

    法律、全国一律の規制、税制、社会保険制度は基本的に国の手段です。都の権限でできる支援、連携、実証、基盤整備へ置き換えます。

    よくある質問

    東京都Ⅰ類Aの論文試験は何分ですか。

    1時間30分(90分)です。課題式1題必答で、1,000字以上1,500字程度で解答します。

    現行施策を書く必要がありますか。

    設問で都の現行の施策に言及するよう求められます。受験年度の最新施策を、東京都の計画、局別ページ、報道発表資料で確認します。

    どの分野が多く出ていますか。

    11問では観光・文化が3問、高齢・福祉が2問です。残る6問は6分野に分かれています。

    資料はどう読めばいいですか。

    資料同士の共通点を探し、増減、ギャップ、格差のどれが示されているかを判断します。その上で重要な課題を1つに絞ります。

    まとめ

    Ⅰ類Aは、知っている施策の数を競う試験ではありません。資料から課題を絞り、現行施策を踏まえて不足を埋める取組を提案できるかが重要です。

    Ⅰ類Aの形式で、実際に書いてみる

    現行施策に触れた答案を、1本仕上げる。

    公務員論文AI対策ナビでは、東京都Ⅰ類Aの形式に合わせた練習問題で答案を書き、AI添削を受けられます。課題と取組の対応、原因の分け方、東京都が実行できる内容か、現行施策に言及できているかを確認します。